本日は祝日(春分の日)にてクリニックは休診でしたので、甲賀市にあるMIHO Museumで、江戸時代の日本のガラスの美しさを眺めてきました。特に感銘を受けた2つをご紹介します。
まずは、薩摩切子銅紅被せ十字紋入り碗(写真右)の赤色のゆらぎです。このガラス器は日本で初めての赤色ガラス切子だそうです。琉球王朝を統括していた島津斉彬らが創らせたもので、西洋ガラス技術を取り入れて透明ガラスの上に赤色ガラスを被せた上で十文字が削られています。赤色ガラスの厚さが不均一であることから赤色にゆらぎがあることも風情を醸し出していました。
もう一つは、青色鶴首徳利(写真左)の端正な美しさです。ライトブルー単色のガラスで創られた徳利は、凛とした姿勢でたたずんでおりました。はんなりとした美しさとともに気品をかもしだす姿には、西洋のガラスが持つ硬質な美しさとは対極をなすとのことで、日本の美の神髄ではと感じました。
これらを含め、伝統と新技術が融合して創られたガラス工芸品がおもてなしの席でたたずんでいた姿を想像しながら、歴史の一つの点を学べたような気がしました。