今週の手振り焙煎豆をご紹介します。マラゴジッペ(グアテマラ産)という生豆を焙煎しました。とても大きな豆で、焙煎するとさらに膨らみますから、他の豆を圧倒する迫力があります(写真1)。マラゴジッペは、ブルーマウンテンやコナコーヒーで知られている品種、ティピカ種が突然変異して生まれた品種とのこと。ですから、ティピカ特有の豊かな味わい、甘みと酸味のとても良いバランス、そしてまろやかな味を引き継いでいます。マラゴジッペの発見は1870年。発見された場所マラゴジッペ地区(ブラジル、パイーア州)にちなんで名付けられたそうです。
大きさゆえ、焙煎ステップにいろいろな工夫を必要としました。特に、豆の内外を均一にローストするのに苦労しました。マラゴジッペの焙煎対策としては、豆の量を減らしたり、ゆっくりとした火入れで焙煎時間を長めにしたり、こげないように手振り焙煎器の振り方や角度を変えてみたり。試行錯誤の焙煎を繰り返していると、購入1kgがほぼ終了し今回の焙煎55gx3回が最終回となりました。
最後には、やや深めの焙煎で落ち着き、フルーティーな香りと良質な甘みに加えて、ダージリンティーを思わせるかすかな余韻も楽しむことができました(写真2)。マラゴジッペはコロンビアやニカラグアでも栽培されているそうです。これらの国のマラゴジッペに出会える機会があれば、ぜひ焙煎チャレンジしたいなと思う豊かな味わいのコーヒー豆でした。
写真1 マラゴジッペのサイズ感 写真左は田代コーヒーで購入した2月オリジナルブレンド(冬ごもり)。右は焙煎マラゴジッペ豆。どの豆も迫力の大きさでした。
写真2 朝のコーヒータイムは無になれる貴重な時間。好みの香りが漂ってくれれば、体の中でいろんなスイッチがリセットされるように感じます。