くしゃみ、鼻水・鼻づまり、目の痒み、咳、喉のいがいがなどの悩ましい症状が特徴の花粉症。今まではなかったのに今年初めて花粉症の症状が出たので来院される方は、少なからずいらっしゃいます。これまでの日本の統計解析では、①花粉症は30歳以下の方はもとより、30歳〜60歳代の方にも新規に発症することがあること、②20歳〜70歳の方では約50%、つまり2人に1人の割合で花粉症に罹患していること、が報告されています。仕事や学業にしっかりと、安全に取り組んでいただくためにも、悩ましい花粉症の症状が少しでも軽減できることを目指して、抗アレルギー薬の内服や点鼻薬噴霧の治療を行なっております。これまで抗アレルギー薬の内服経験がない、花粉症治療が初めての患者様には、眠くなるという副作用がなるべく少ないお薬の中から病状に応じて選択するよう心がけながら診療を行なっておりおます。
2024年3月16日、淀屋橋で開催された南大阪アレルギー疾患の会兵庫県立西宮病院耳鼻咽喉科部長の端山昌樹先生による、花粉症の歴史から紐解くアレルギー治療についての講演を聞きました。
花粉症の症状について初めて認識されたのは19世紀の当初のこと。イギリスの農民たちが、牧草を刈り取ってサイロに収納する作業を行った際の、くしゃみ、喉のかゆみ、鼻汁などの症状でした。医学雑誌での最初の記載は、イギリス人医師John Bostockが6月になると自分自身に発生する眼や息苦しさの症状について記載した‘Case of a periodical affection of the eyes and chest’という1819年の報告です。日本でのスギ花粉症についての最初の医学報告は、Bostock報告から145年が経過した1964年。その後の約60年間で患者数の激増とともに、治療薬も多数開発され、今日に至っています。
花粉症についての下記紹介記事もご参照ください
花粉症対策 – ヨーグルトを食べると抗アレルキー薬の効果がアッフ
新しい薬も開発され、花粉症治療がさらに充実してきました