食べ物に関連するアレルギー症状は、食事をとってから2−6時間経過して発生することを多く経験します。しかし、食事後5-15分程度の短時間で発生する即時型食物アレルギーという病態もあり、最近の研究によってその発生機序が少しずつ明らかにされてきました。即時型食物アレルギーには、触れたところ(皮膚や口腔内粘膜)に浮腫や発赤腫脹が生じる場合、気管支喘息などの呼吸症状が現れる場合、鼻炎や結膜炎症状が現れる場合、腹痛や下痢などの消化器症状が現れる場合などがあります。
即時型食物アレルギーは、手袋やゴム風船などに使われている天然ゴム成分のラテックスに対するアレルギーや花粉アレルギー(花粉症)との交差感作が発生して食物に対するアレルギー反応が生じるとされています。この即時型食物アレルギー発生に関連する食物として、バナナ、アボガド、クリ、キウイ、トマト、リンゴ、ニンジン、セロリ、メロン、パパイヤ、生のジャガイモなどが関連性が高いとされています。アレルギー症状が出た際にこれらいずれかの食物との関連が思い当たる場合には、特異的IgE抗体を血液検査で測定することはそれ以後のアレルギー発生予防に意義があるものとされています。
2023年12月3日(日曜)14時〜京橋で開催された大阪府内科医会の講演会に参加し、藤谷クリニック院長・藤谷宏子先生による「身近に発生する食物アレルギー」についての講義を聞きました。アレルギーが発生した際には、直前に食べた物を可能な限り思い出してメモしておくことをお勧めします。
食物アレルギーについては過去の記事もご参照ください
普段は問題ないのに運動をすると発症する食物アレルギー