2023年10月14日(土曜)16時〜大阪で開催された呼吸器疾患治療を考える会に参加し、関西医科大学呼吸器・感染症教授の宮川修行先生から、“肺と心臓を元気に維持して健康寿命を伸ばしましょう”の講演を聞きました。最近では、“肺と心臓は一つの病気から悪化する”と認識されつつあることが講演の主テーマの一つでありました。肺の病気が進むと心臓の状態も悪くなる、心臓の病気(例えば高血圧や動脈硬化など)が進むと肺の状態も悪くなると認識していいとのこと。肺と心臓は相互に影響し合うため、共に健康な状態を維持するように努めましょうというメッセージでした。

タバコ喫煙を続けると肺気道末梢の壁の弾力がなくなり、肺気腫や慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病態へと移行することが危惧されます。この壁の変化は、通常は不可逆性なので、悪くなった状態が元に戻ることは期待できず、現状から悪化させないことが治療の工夫となります。また、食事を飲み込む筋肉の動きが不安定になったり、筋力低下が発生すると、肺に食べ物が入ってしまい誤嚥性肺炎が生じることがあります。もちろん、これらの病態が発生した際には、その病態の悪化を防ぐ治療が開始されますが、もう一つ大切なのは、これらの病態へと移行する前の段階で、肺の健康に気を配る取り組みも大切です。例えば、タバコの禁煙に1日でも早く取り組むことはとても大切ですし、全身の筋力と共に嚥下に関係する筋力を保持することも大切と認識されています。

 

肺疾患に関する過去の情報

息切れ症状はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のことも〜早めの診断・治療が重要です