ジョー・バイデン大統領、カマラ・ハリス副大統領就任式から2週間が経ちました。1月21日(木)日本時間の深夜0:50から、私はTV放送を見守っていました。明日への飛躍を感じるエイミー・クロブシャー上院議員のopening remarks、ジェニファー・ロペスとガース・ブルックスの熱唱、アマンダ・ゴーマンの歴史的ともいえる自作の詩”The Hill We Climb”の朗読。そして、バイデン大統領の冷静で理知的な演説は、種々難題を抱えている現状から脱却する決意と、米国と世界の発展を見据えていることを伝えてくれていました。
さて、私が大統領就任式で最も着目していたのは、レディー・ガガによる”The Star-Spangled Banner” 国歌斉唱。全米のトップイベントとして有名なSuper Bowlでは、著明歌手が”The Star-Spangled Banner”を斉唱します。歴代斉唱の中で、すごい!と感動したのが、2016年のレディー・ガガのパフォーマンス。歌だけでなく、衣装、立ち振る舞い、戦闘機フライオーバーとのタイミング合わせなど、総合演出として彼女のプロフェッショナル度の高さに感動したからです。大変申し訳ないのですが、私は彼女のファンではなく、歌っているのを観たのはこの1曲だけなのです(ごめんなさい)。
エバン・キャンベル海兵隊員にエスコートされて登場。大統領選挙で争った2党を讃えるかの深い紺と真っ赤なドレス。平和を願って金色の鳩のブローチを胸元に。可愛らしく登場した彼女がマイクを握った瞬間、レディー・ガガvoiceが世界に響き渡りました。スーパー・パワフルだけどとても丁寧で厳粛、そして優しさがにじみ出る歌声。14日前には、この就任式が執り行われた議会議事堂で5人が死亡する襲撃事件が勃発。”that our flag was still there”では議会議事堂中央の円形ドームに振り向き、右手でしっかりと風でたなびく国旗を指し示し、心からの声で、浄めるかのように。その後もパワフルvoiceで最高潮を迎えます。ワシントンDCの1月の午前は極寒、かつ野外、さらに防弾チョッキを着て(私の推測です)このパフォーマンス。心に突き刺さりました。
この歌が作曲された歴史的背景とその後の経緯について学んでみると、若干複雑な問題を抱えている歌であることが理解できます。そのような歴史を鑑みながら改めて彼女の斉唱を聴くと、最終節の”O’re the land of the free, and the home of the brave”の理解でも、アメリカの歴史の新しいページを開けるに値する斉唱と感じます。2週間で300回くらいはYouTubeを観たでしょうか。観る度に感動で涙があふれます。”国歌斉唱するこの日が人生にとって最も重要な日となる“と語っていたレディー・ガガ。すばらしいパフォーマンス、ありがとう。
今回のレディー・ガガのパフォーマンスが卓越していた点について、様々なプロが解説してくれています。英語ですが、かれらの解説を理解するのに言語は必要ないかも知れません。ご興味がある方はぜひご覧ください。
◯Adam Neelyがコードや拍子の観点から解説
◯John Hennyが発声の観点から解説
写真は、newsnationが公開している斉唱シーンから