COPD(慢性閉塞製肺疾患)は肺や気管枝に障害が起こり、呼吸機能が徐々に低下する病気で、生活習慣病の一つとされています。喫煙、受動喫煙、汚染大気などが主な発症原因です。

COPDが進行すると、末梢気道(肺のすみずみまで空気を送る細い気道)が硬くなり、そのことで、肺胞(すった空気を取り込む肺末梢の小さな袋)が過度に膨らんでします。“動くと息が苦しい“という症状は、COPDの特徴の一つでもあります。喫煙の中止、かぜなどの予防、毎年のインフルエンザワクチ接種、肺炎球菌ワクチンの適切な接種、適度な運動、喘息の予防と治療、などが病気の進行防止に大切です。治療の基本は吸入治療です。抗コリン薬、b2刺激薬、ステロイドなど吸入薬を病気の状態をみながら処方します。  

2019.7.28(土)16時〜、大阪で開催された慢性呼吸器疾患フォーラムに参加し、大阪市立大学病院長の平田一人先生からCOPD治療での吸入治療updateの講演を聴きました。最近の吸入薬の進歩は目覚ましく、薬の粒子径などの改良によって肺の末梢までより均一に薬をとどけることが可能となっています。吸入薬による治療効果が高まってきていることから、従来はCOPDでの呼吸機能悪化は不可逆的と考えられていましたが、最近では呼吸機能が改善することも期待できるようになっています。COPDの診断には、胸部レントゲン検査とスパイロ検査が必要です。当院では随時検査を行っておりますので、ご心配な方はご相談ください。