お尻の痒みで悩まれている方がしばしば来院されます。周囲皮膚や会陰部の状態をみて、軟膏や内服薬の治療で症状が消えることを目指して治療をしております。腸内液付着によるかぶれや真菌(かび)感染など様々な原因で痒みが発生します。かゆみの原因の一つとして最近時折出会うのが、温水便座症候群(ウォシュレット症候群)です。温水便座症候群とは、ウォシュレットの使いすぎによって肛門粘膜や周囲皮膚に傷がつき、生体のバリアとしての機能が破綻し、炎症や感染を悪化させることを意味します。ウォシュレットの適切な使用は、衛生的にも排便誘発刺激としても多いに役立ちますが、過度な使用は避けることをお勧めします。日本レストルーム工業会からウォシュレット使用についてのお知らせがありますので、このサイトをご参照ください。
さて、2019.6.15(土)17時〜、梅田で開催された胃腸漢方セミナーに参加し、便秘診療ガイドラインのメンバー尾高健夫先生から、質の高い便秘治療についてのお話を聴きました。数多くの便秘薬がありますが、漢方薬は体にやさしく、様々なタイプの便秘に治療効果を発揮してくれことから患者様の満足度が高いお薬です。当院では、便の硬さ、腹圧の力、レントゲン撮影での便貯留の位置などを把握しながら、必要な場合にはお薬を相談して処方し、なるべく快便な生活を送っていただけるよう診療にあたっています。