病状が進むと週3回の透析治療が必要となる慢性腎臓病。統計によると日本人8人に1人が慢性腎臓病に罹っているといわれています。さて、慢性腎臓病には特徴的な症状があるのでしょうか。その答えは、相当進行した病態になるまで(一般的には)症状は出ません。ですから、尿検査や血液検査を行わないと慢性腎臓病かどうかは判りません。困ったことに、腎臓は一度悪くなった機能を戻す薬も治療法もありません。しかし、進行を遅らすことは、内服治療や生活習慣の改善で可能ですから、大切なことは、慢性腎臓病を早期に発見して病気の進行をすこしでも防ぐことだと言えます。尿検査や血液検査で慢性腎臓病の診断が可能ですので、ご相談ください。
2019.2.2(土)18時〜、本町で開催された慢性腎臓病と透析医療を考える会に参加し、奈良県立医科大学地域医療学教授の赤井靖宏先生から腎臓病の進行に関わる要因についての講演を聴きました。慢性腎臓病の進行予防には、高血圧・脂質異常・糖尿病がある場合には適切な治療を行うこと、適度な運動、そして禁煙が特に大切です。2018年に発表された慢性腎臓病ガイドラインでの血圧目標は、75歳以下では尿タンパク陽性または糖尿病の方では130/80mmHg未満、いずれもない方では140/90mmHg未満が推奨されています。