脳出血や脳梗塞のほとんどは予兆なく突然発症し、命にもかかわることが危惧されます。不幸な転機で他界されてしまった際のご家族の悲しみを考えると、なんとしてでも、避けたい病気です。脳出血や脳梗塞の原因として重要なのが、高血圧。高血圧治療を行うことで、脳出血や脳梗塞の発生を有意に抑制できることは、多くの研究で立証されています。
2020年9月3日(木曜)13時〜webで開催された「かかりつけ医の高血圧対策」講演会に参加し、大阪大学臨床遺伝子治療学招聘教授の勝谷友宏先生から、降圧治療がもたらす脳出血/心筋梗塞の予防効果についての講演を聴きました。
脳出血や脳梗塞の予防の観点で、日本高血圧学会が推奨している自宅血圧は、75歳未満の方は125/75未満、75歳以上の方は、135/85未満です。普段から血圧を測定いただいて、これらの基準を上回ることが多いなとお感じの方は、一度ご相談ください。
さて、「血圧はどのように測れば良いのですか」というご質問をよく受けます。いろいろ判らないことも多いと思いますが、以下をご参照いただいて、まずは血圧をときどき測ってみてください。
[ご家庭で血圧を測るコツ]
(1)血圧計を準備しましょう。これから購入されるのであれば、できれば上腕式が正確底と安定性でお薦めです。
(2)椅子にすわりテーブルで測りましょう。畳の上にあぐらをかいたり、正座の姿勢では、正しい血圧は測れません。
(3)カフの巻き位置に気をつけて 機器の説明書に従って正しい位置にカフを巻きましょう。心臓とカフがだいたい同じ高さになるよう、リラックスした姿勢をとってください。
(4)測る時間は、朝ごはんを食べる前と、寝る前。座ってから2分ほど安静にしてから測定しましょう。
(5)時間があれば1機会に2回測定し、平均値をメモしてください。
(6)測定血圧に一喜一憂をしないでください。血圧は気温や気分で大きく変化します。その日の血圧にこだわらず、2-3週をざっとみて評価しましょう。
(7)血圧計の測定値がご心配なときは、クリニックに持って来てください。クリニックの機器と同時に測定して、ずれなどを把握することができます。
(8)測定できないことを気にしないでください。お忙しい時など測定できないこをと気にしないで、測定できるときに記録をとっていきましょう。