天候が悪くなる頃に急に激しい頭痛を感じる、生理周期に伴って頭痛が発生する、お酒を飲むと翌日は頭痛で仕事に支障が出る、などの強い頭の痛みは、日常生活を楽しくすごすにあたってかなりのお悩み・障害となります。すこしでも早く痛みから解放されることを願って、鎮痛剤内服を多くの場合基本としております。時には、漢方薬の内服が鎮痛剤より早く効果が現れることもあり、漢方薬をご希望の患者様には症状や年齢、体格に応じて、漢方薬を選択し、鎮痛剤と平行して内服いただきます。2つの薬の内服がお互いの効果を高め合い、しっかりと頭痛を抑えて喜んでいただくことも多く経験します。中には、漢方薬を内服してみると、何年かぶりに頭の中が晴れて快適と感じていただくこともあります。 2022年6月11日(土曜)19時〜webで開催された頭痛発生機構を考えるセミナーに参加し、千葉県のクリニックで頭痛治療に取り組んでおられる來村昌紀先生から、頭痛治療での漢方薬の活躍についての講演を聞きました。

体の中のいろいろな組織の水分配置が変化し、いはゆる“むくみ”がいろんな組織で発生することが頭痛の発生原因の一つです。天候が変化する時の気圧の変化や、生理周期でのホルモン環境変化が、むくみを発生させてしまうことはご理解いただき易いかと思います。漢方薬には、利水効果というむくみ解消の作用を発揮するお薬がいくつもあります。体の中のいろいろな組織の水分配置を適正にしてくれることから、頭痛だけでなく、胃もたれ、めまい、夜間頻尿、下肢や顔のむくみ、耳鳴やめまい、声のかすれ、乗り物酔いなどのお悩みの改善効果も期待できる、鎮痛薬にはない側面も漢方薬は持ち合わせています。