日本国内に1300万人いるとされる慢性腎臓病。20歳以上の成人8人に1人の割合で慢性腎臓病に罹患していると報告されています。

慢性腎臓病は、血液検査でeGFR値が60以下または尿検査で尿蛋白陽性の状態が3ヶ月以上続く状態と定義されています。これらの項目は定期健康診断や市町村特定健診などに含まれていることがありますので、ご確認ください。健診に含まれておらずご心配な方は、受診の際に測定が可能です。

慢性腎臓病は、よほど進行した状態になるまで、特有の自覚症状がないのが一般的です。ですから、定期的な検査で腎機能状態を把握することが大切です。高血圧、脂質異常(高コレステロール血症)、脂肪肝、糖尿病、肥満、塩分過多、過度の飲酒・喫煙は慢性腎臓病を悪化/進行させる因子とされています。これらの因子をすこしでもなくす工夫が、腎臓を守るには大切です。

2022年11月20日(木曜)20時〜、神戸市で開催された腎臓病予防フォーラムに参加し、神戸労災病院総合内科部長の佐藤稔先生から、慢性腎臓病の進行予防としての食事・カリウム管理についての講演を聞きました。野菜と果物を積極的に食べている人は、そうでない人と比較して、腎機能が悪くなりにくい(慢性腎臓病になる確立が低い)という日・米の研究成果の紹介がありました。野菜と果物摂取による腎臓に良い効果は、腎機能がすでに中等度悪化している慢性腎臓病の患者さんにおいての研究でも証明されているそうです。野菜と果物に含まれる線維成分、アルカリ側の組成、抗酸化作用、各種ビタミンなどが総合的に腎保護の効果を発揮するとのことです。心臓も、肝臓も、腎臓も、体の各臓器が元気に長く機能してくれることは、健康的な生活を過ごすのに大切です。

 

以前のご紹介も参照ください

慢性腎臓病について

腎臓病治療についての医療講演を行いました

 

糖尿病と腎臓病の関連について

糖尿病における腎臓病進行の予防

 

野菜・果物を食べることと高血圧の関連について

野菜・果物を多めに食べると高血圧に効くことも