もうすぐ12月。手足の冷えに悩む季節の到来です。気温がぐんと冷え込む前に早めの対策がおすすめの時期となってきました。当クリニックでは、胃カメラ検査を随時行っておりますが、その際に、胃の運動(蠕動運動)が乏しい方によく出会います。多くの場合に、粘膜が萎縮(粘膜の丈が低くなる)する萎縮性胃炎を伴っておられます。このような場合、健胃を目的に漢方薬を処方することが多くありますが、胃の調子がよくなるにつれ、手足の冷えが改善するとおっしゃる声をしばしばお聞きしておりました。

2017.11.25(土)16時〜、

吉区で開催された冷え性における漢方療法のフォーラムに参加してきました。東洋医学の一つの考え方では、体のエネルギーの中心が胃にあり、胃の気が満たされると、心や腎などの臓器へとエネルギーが伝わり、最終的には皮膚末梢が暖まると理解されているそうです。私が健胃漢方の処方で経験していたことと重なることに少しびっくりしながらお話を聴いておりました。当クリニックでの胃腸のお悩みの方での漢方処方では、胃の粘膜が浮腫んでおられるのか、蠕動運動がよくないのか、粘膜の萎縮がすすんでいるのか、不安やストレスなどの神経的な疲れの程度などを勘案しながら、薬剤を選択しております。作用が直接的な西洋薬品との組み合わせも考慮しながら、“胃を元気にして冷えをなくそう“をこの冬の一つの目標として、診療にあたります。