南大阪地域の医師を対象とした肝疾患・大腸疾患の講演会企画に参画し、講演座長として会運営に携わりました。大阪急性期総合医療センター消化器内科主任部長の薬師神崇行先生が発起人となり、2024年10月18日(金曜)に上本町にて開催、会場はほぼ満席で多くの先生方にご参加いただきました。
肝疾患の部では大阪急性期総合医療センター消化器内科の俵誠一先生から、B型肝炎、C型肝炎を含めた肝炎診断updateについての講演をいただきました。C型肝炎は早期発見・治療が欠かせない疾患ですが、なんと日本で約100万人(推計値)の方が診断されないままの状態とのことでした。C型肝炎は内服治療で90%以上の方でウイルス排除(体からC型肝炎ウイルスが消えてなくなる)に成功する時代となっています。治療せずに長期経過すると、慢性肝炎→肝硬変→肝癌発症という生命にかかわる病態となり得ます。血液検査でC型肝炎かどうかは判明しますので、今まで検査を受けられたことがない方は受診の際にお申し出ください。
大腸疾患の部では兵庫医科大学消化器内科主任教授の新崎慎一郎先生から潰瘍性大腸炎治療の治療について講演をいただきました。潰瘍性大腸炎は、繰り返す下痢・腹痛を特徴とする疾患です。故安倍晋三氏が罹患されていたことで病名を記憶されている方も多いと思います。日本での潰瘍性大腸炎患者数は、20万人以上。従来からの内服や注腸治療に加え、近年では抗体薬等の数々新規治療薬が開発され、病態に応じて適切な治療を組み合わせることが重要です。そのためにも、診療所と基幹病院との連携を軸とした治療の組み立てが大切です。
講演会の後には、大阪急性期総合医療センターで潰瘍性大腸炎の診療を担当されている川井翔一郎先生も参加され、5名で医療連携についての会議も行いました。
写真左側から俵先生、大橋、薬師神先生、新崎先生、川井先生