当院では、肛門のお悩みで来院された患者様には、随時肛門鏡などを用いた検査を行って、的確な診断に務めております。例えば、肛門が腫れているという症状を例にとってみても、診察の結果のご病気は、内痔核、血栓性外痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、肛門周囲膿瘍、痔瘻、スキンタッグ(皮垂)、肛門ポリープなど、様々であります。もちろん、治療法も病気によって異なります。切れ痔、内痔核、いぼ痔(外痔核)などの場合には、外用薬(坐薬)や内服薬を処方して経過を観ることが多くあります。一方、いぼ痔(血栓性外痔核)の腫れのサイズが大きい場合や痛みが強い場合には、局所麻酔下の血栓摘出手術も行っております。また、肛門周囲膿瘍の場合にも局所麻酔下の切開排膿術を行っております。

2018.7.7(土)17時〜

梅田で開催された外科開業医のつどいに参加し、土庫病院奈良大腸肛門病センター名誉顧問の稲次直樹先生から、痔の診断・治療のup to dateについての講演を聴きました。稲次先生は、肛門と大腸の病気に長年にわたり関わってこられた日本を代表する外科医師の一人で、独自の診断器具や手術器具も考案されております。肛門周囲は体でもっとも敏感な部位であることから、局所麻酔の方法も独自で工夫しておられそのコツもお聴きしました。これらの情報を診療に活かして、より的確な診断と治療に努めていきます。