C型肝炎はC型肝炎ウイルスの感染によって肝臓が慢性肝炎、そして肝硬変へと進行する病気です。肝炎感染期間が長く持続すると、肝臓がんの発症にも強く関連します。日本肝臓学会の調査では、肝臓がん発生の約60%はC型肝炎が原因と報告されています(注1)。つまり肝臓がんの発生を未然に防ぐためには、C型肝炎感染の有無を早く把握をして、感染陽性の場合には、早期にウイルス排除にむけた治療を行うことがなにより大切です。その理由として、たとえば次の2つが主な理由となります。①未治療を放置しておくと、肝臓の細胞のDNA損傷が蓄積して悪性細胞へと変換する確率が高くなる。つまり肝臓がんが発生する確率が高くなる。②肝臓の機能や構造が変化することで肝臓機能(肝予備能といいます)に余力がなくなってしまい、癌が発生した際に効果的な治療が選ぶことができない事もあります。

2019.12.19(木)20時〜、難波で開催されたOsaka Liver Seminarに参加し、大阪労災病院副院長の平松直樹先生の講演を聞きました。現在では内服治療で95%の方でC型肝炎の排除に成功する時代となっています注2)。年々新しい治療が応用されて直近では98%に迫る状況とのことでした。日本では、C型肝炎に罹っておられる方のうち約70万人の方がウイルス排除治療が未治療とのことです。

C型肝炎感染の有無は血液検査で判定ができます。健康診断などで肝機能異常(ALT値などが高値)を指摘された方は検査を受けられることをおすすめします。また、自覚症状や検査異常がない方でも、今までに一度も肝炎ウイルス感染についての検査を受けられたことの無い方(大阪市に住民票がある20歳以上の方)は、無料で検査を受けていただけます。ご希望の方は受付でその旨を申し出てください。

大阪市肝炎ウイルス検査(詳細はリンク3を参照ください)

対象:20歳以上の大阪市在住の大阪市民で、これまでにB型、C型肝炎ウイルス検査をうけたことがない方。

費用:無料

検査方法:採血によるB型肝炎およびC型肝炎ウイルスの感染検査

リンク1:「肝がん白書」平成27年度 一般社団法人 日本肝臓学会

リンク2:C型肝炎は内服薬で治る時代になりました

リンク3:大阪市 肝炎ウイルス検査