2023年、最初の診察室便りの記事は、おめでたいニュースで始めたいと思います。
共同研究として参画させていただいている東北大学移植再生医学講座の山名浩樹先生がアルゼンチンにて開催された第29回国際移植学会(2022年9月)で受賞・表彰されました。
私は、水曜日など休診日には、複数の国内大学医学部の研究室のプロジェクトに大阪大学招聘教授として共同研究者として参画し、慢性肝炎を含む肝臓病、糖尿病を含む膵臓病、出血が止まりにくい血友病などの医学研究開発に微力ながら貢献させていただいております。
その研究プロジェクトの一つに、後藤昌史教授が率いる東北大学移植再生医学講座で開発されている細胞を用いた肝疾患新規治療法開発プロジェクトがあります。後藤教授は、疾患に応じた治療用細胞を巧みな技術で体内に移植・配置させる新規医療を開発されている世界トップレベルの研究者かつ臨床医です。肝臓移植や膵臓移植という臓器移植に代わる次世代療法開発を目指して日夜取り組んでおられます。
後藤教授の研究室に在籍されている山名浩樹先生は、肝臓内に治療用細胞を効率良く移植・生着させる技術の開発に取り組まれていました。その結果、治療用細胞に加え、脂肪組織由来幹細胞を至適な割合とタイミングで肝臓内へ移植することで、今までにない高いレベルでの細胞生着と治療効果が発揮できることを発見されました。
この研究成果は、移植再生医療が今後より多くの疾患に対する新規治療として展開するにあたり新しい光を与えてくれるものです。山名先生、後藤教授、おめでとうございます。そして、さらなる発展と展開を願っております。
ご紹介しました山名先生の研究成果は、国際医学誌Transplantationに掲載されました
Cotransplantation With Adipose Tissue–derived Stem Cells Imp… : Transplantation (lww.com)