2019.4.13(土)17時〜、東心斎橋で開催された経鼻内視鏡研究会に参加し、東京医科歯科大学食道外科講師の川田研郎先生から、レーザー経鼻内視鏡を使った咽頭・食道検査の現状についての話を聴きました。咽頭癌・食道癌の早期発見や、前癌病変の発見において、近年開発されたレーザー光源による観察は病変を浮き立たせて描出するため、とても威力を発揮します。従来光の内視鏡で認識することが困難であった前癌病変としての白斑領域や早期癌病変としての茶色域(brownish spot)は、レーザー光観察で強調されて観察されます。

咽頭癌と食道癌は高率で併発しますので要注意です。咽頭癌を発症した患者さんの約50%、喉頭癌の患者さんの約35%で食道癌が発生するといわれています。同時に発生する場合もありますが、咽頭・喉頭癌の治療が終了してしばらくしてから食道癌が発生することも多くありますので、定期的な内視鏡検査観察が大切です。 食道癌、咽頭癌ともに飲酒と喫煙が主な発生原因です。飲酒と喫煙が多い(多かった)方は、胃カメラ検査で咽頭癌・食道癌の検索を定期的に受けられることをおすすめします。

当院では、白色光レーザーと青色強調レーザーの2光源を搭載した経鼻内視鏡を用いて検査をおこなっており、咽頭癌・食道癌の早期発見に努めております。