3月中旬を過ぎるとポカポカと暖かい時と肌寒い時が混在してきます。私の経験から、この時期になると、めまい、ふわふわする、体がむくむというお悩みで来院される方が多くなると感じています。“めまい“には、いろいろなタイプがあります。例えば、突然ぐらぐらと起き上がれないほど目がまわるめまい、歩いていてなんとなく体がゆれるように感じるめまい、急に立ち上がったりする時に一時的にぐらっとふらつくめまい、など様々です。頭痛や胃の気持ち悪さを伴うこともしばしばです。
めまいの症状が続き、どんどん悪化する場合には、脳の疾患や、心臓・腎臓・甲状腺の疾患が原因の場合もありますので、精査が必要です。一方、多くの場合は、初日は症状がひどいものの、その後は徐々に軽快していきます。この様な場合、体の中の水分バランスが一時的に崩れ、例えば内耳器官にむくみが発生することで引き起こされるめまい症状と説明できることが多くあります。
このように、体の中の水分バランスが崩れる状態を水滞(水毒)と呼びます。水滞状態では、めまいの他に、だる重いような頭痛、冷え、耳鳴り、吐き気を伴うこともあります。体の中のいろいろな箇所で水滞による症状が発生し得ますので、時を同じくして複数の症状が発生するわけです。水滞状態を改善するにあたり、西洋薬にはない作用を漢方薬が発揮してくれることが期待できます。2025.3.09webで開催された漢方の考え方講座に参加し、慶應義塾大学漢方医学センターの堀場裕子先生から水毒治療における漢方薬の役割についての講演を聞きました。めまいの症状は、1日を有意義に楽しく過ごすにあたり、相当な障害となりますし、不安にもなります。すこしでも早く症状を改善していただくことが、不安から開放される意味でも大切です。当院では、病態に応じた漢方薬治療も行っております。めまい、むくみ、冷えなどでお悩みの際は、ご相談ください。